このセクションでは、単にGT.Mをインストールするためのガイドです。
注意:インストールして直ぐに、GT.Mの環境とデータベース作成を行わない状態で、GT.Mを動作させないでください。 このインストールのセクション終了後は、直ちに、次の、GT.Mの設定のセクションを行ってください。
GT.Mをダウンロードしてインストールする前に、以下の事柄を準備しておきます。
日本語(UTF-8)でGT.Mを利用するには、GT.M本体のインストールの前に、 あらかじめ ICUライブラリ( International Components for Unicode )をインストールしておく必要があります。 ほとんどのLinuxディストリビューションでは、パッケージとして、ICUライブラリが配布されています。 以下に、CentOS系とUbuntu系の例を紹介します。
CentOS(Red Hat系)でのインストール方法(例)
sudo yum install libicu libicu-devel
Ubuntu(Debian系)でのインストール方法(例)
sudo apt-get install libicu libicu-devel
インストールしたICUのバージョンを調べておきます:
$ icu-config --version
4.2.1
GT.Mのバイナリ、設定ファイル、共有ファイル、ユーティリティルーチンなどを配置しておくディレクトリを決定しておきます。 この配置位置は、環境変数 gtm_dist に記述します。
本稿では、 Linux Standard Base のPOSIX標準を拡張した、 標準ライブラリとコマンド/ユーティリティ群のファイル配置ルールを参考にします、
/opt/lsb-gtm/<GT.M version>_<platform>
現時点(2013/08/09)のバージョン V6.0-003 で、Linux 64bit版 x8664 の場合は、
/opt/lsb-gtm/V6.0-003_x8664
とします。また、32bit版の場合は、
/opt/lsb-gtm/V6.0-003_i686
とします。
gtm_V60003_linux_x8664_pro.tar.gz
ファイルを展開するディレクトリを作成します。
mkdir gtm_V60003
そのディレクトリに移動します。
cd gtm_V60003
次に、tarコマンドでファイルを展開します。
tar xzvf ../gtm_V60003_linux_x8664_pro.tar.gz
これは、gtm_V60003 ディレクトリ内で配布ファイルを抽出します。
インストールスクリプトでGT.Mを設定しながらインストールします。 以下のようにタイプします。
sudo ./configure
インストールスクリプトが表示されます。
GT.M Configuration Script
Copyright 2009, 2013 Fidelity Information Services, Inc. Use of this
software is restricted by the provisions of your license agreement.
What user account should own the files? (bin)
どのユーザが、ファイルを所有するかを聞いてきます。 ENTERキー(デフォルト:bin)を押して応答します。
What group should own the files? (bin)
どのグループが、ファイルを所有するかを聞いてきます。 ENTERキー(デフォルト:bin)を押して応答します。
Should execution of GT.M be restricted to this group? (y or n)
GT.Mの実行を、このグループに制限するかどうかを聞いてきます。 データベースの使用が、システム内の他のグループもできるようにする場合は、 “n”(”no”)にします。
In what directory should GT.M be installed?
GT.Mをインストールするディレクトリを聞いてきます。 “/opt/lsb-gtm/V6.0-003_x8664” と入力して応答します。
Directory /opt/lsb-gtm/V6.0-003_x8664 does not exist. Do you wish to create it as part of
this installation? (y or n)
ディレクトリ “/opt/lsb-gtm/V6.0-003_x8664” が存在しないので、ディレクトリを作るかどうかを聞いてきます。 “y” をタイプして応答します。
Installing GT.M....
Should UTF-8 support be installed? (y or n)
UTF-8に対応するために、ICUをインストールするかどうかをを聞いてきます。 “y” をタイプして応答します。
Should an ICU version other than the default be used? (y or n) y
Enter ICU version (at least ICU version 3.6 is required.
Enter as <major-ver>.<minor-ver>): 4.2
デフォルトのICUバージョンとは異なったバージョンを使用するかどうかを聞いてきます。 “y” をタイプして応答します。 ICUのバージョン <major-ver>.<minor-ver> を入力します。 ここでは、先程インストールした、4.2 とタイプします。
ファイル名の大文字小文字変換について聞いてきます:
All of the GT.M MUMPS routines are distributed with uppercase names.
You can create lowercase copies of these routines if you wish, but
to avoid problems with compatibility in the future, consider keeping
only the uppercase versions of the files.
Do you want uppercase and lowercase versions of the MUMPS routines? (y or n)
システムルーチン名の大文字小文字の互換性を改善するために、この質問に、”n” で応答します。
MUMPSルーチンをコンパイルします。少し時間がかかることがあります。
GTM>
%GDE-I-GDUSEDEFS, Using defaults for Global Directory
/opt/lsb-gtm/V6.0-003_x8664/gtmhelp.gld
GDE>
GDE>
GDE>
%GDE-I-VERIFY, Verification OK
%GDE-I-GDCREATE, Creating Global Directory file
/opt/lsb-gtm/V6.0-003_x8664/gtmhelp.gld
GTM>
%GDE-I-GDUSEDEFS, Using defaults for Global Directory
/opt/lsb-gtm/V6.0-003_x8664/gdehelp.gld
GDE>
GDE>
GDE>
%GDE-I-VERIFY, Verification OK
%GDE-I-GDCREATE, Creating Global Directory file
/opt/lsb-gtm/V6.0-003_x8664/gdehelp.gld
Object files of M routines placed in shared library /opt/lsb-gtm/V6.0-003_x8664/libgtmutil.so
Keep original .o object files (y or n)?
インストールファイルは、もう必要ないので、オリジナルの .oファイルを削除するには、”n”を応答します。
Installation completed. Would you like all the temporary files
removed from this directory? (y or n)
“y”と応答し、スクリプトが終了します。
注意:インストールして直ぐに、GT.Mの環境とデータベース作成を行わない状態で、GT.Mを動作させないでください。 このインストールのセクション終了後は、直ちに、次の、GT.Mの設定のセクションを行ってください。